このサイトでは、存命中は「ローマの天使」と呼ばれ、
現代では最後のカストラートとして知られている1858年生まれの歌手、
アレッサンドロ・モレスキについて調べてたことをまとめています。

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19世紀の終わり頃ヴァチカンの礼拝堂を訪れた音楽史家、エンリコ・パンツァッキ(1840-1904)の言葉

何とすばらしい歌い方だろう!
 フルートのもつ甘美さに、人間の声の生き生きとした心地良さが結びついているようだ。
 空高く舞うひばりのように、軽々と自然に何度も舞いあがる。感情がそのまますぐに音に移され、魂が感情の翼にのって無限に昇ってゆくような声。
 私の全存在が満たされたのは、声区の移行が完璧で音色が変わらないから、ではない。静かで甘く、厳かで豊かに響く音楽のためだ。
 実に優雅な感情の力に感動したのだ。

  (アンガス・ヘリオット著『カストラートの世界』より)

『アヴェ・マリア』バッハ/グノー作曲(1904年録音)

Alessandro Moreschi sings Ave Maria (no scratch)

動画投稿者の説明によると、「truesound transfers」の音源をもとに、録音時に失われたことが明らかである高音域の周波数帯を、WAVESのプラグインで付加したそうです。
「truesound transfers」より更にノイズが少ないように聴こえます。
ノイズの中にも音楽の成分が含まれているから、むやみに除去するべきではないとも言われますが、やはりノイズ・リダクション済みのほうが聴きやすいです。

アレッサンドロ・モレスキのバイオグラフィー

1858年 ローマ近郊の町、モンテ・コンパトリに生まれる。
1873年 サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂の
第一ソプラノに任命される。
1878年 イタリア王国初代国王、
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の葬儀で歌う。
1883年 システィーナ礼拝堂聖歌隊に採用され、
のちにソリストを任命される。
1900年 イタリア王国2代目国王、
ウンベルト1世の葬儀で歌う。
1902年
1904年
レコーディングを行う。
(この音源は現在CD化され
1枚のアルバムとして発売されている)
1913年 システィーナ礼拝堂聖歌隊を引退。
サン・ピエトロ大聖堂の聖歌隊に招かれる。
1914年 現役をしりぞく。
1922年 ローマで死去。

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